ここ数年アクセサリー愛好家界隈で人気が出てきたゴールドフィルドジュエリーです。「お店では14kgfとかよく見たり聞たりするけど、でも実はよくわからない」ということが多いかと思います。
アクセサリー作り＆販売で過去に調べたことと気付いた点をアドバイスとしてまとめます。
オンラインショップやネット通販でアクセサリーを購入するのに、金属素材がよく分からないという人にゴールドフィルドと呼ばれる14kgfについて紹介します。
購入したことがなかったり使ったことがない金属素材を身体に着けるのは心配ですね。
ハンドメイドアクセサリーだけではなく、コスチュームジュエリーにもよく使われる素材なので知っておくと購入の目安になります。
この記事はゴールドフィルドがどのようなものかを知りたい方、ゴールドフィルドの価値を知りたい方におすすめです。
ゴールドフィルドジュエリーとは
ゴールドフィルドジュエリーを端的に表すと、銀や真鍮に金を貼って手軽に金の華やかさや輝きの耐久性がある素材で作られたアクセサリーです。
アクセサリーの理想の素材とされる18金を使用すると地金だけで値段が上がってしまいますが、ゴールドフィルドだと金の性質を持ったようなアクセサリーを低価格で購入できます。
手っ取り早く1４kgfについて知りたい方には、下の記事がおすすめです。
ゴールドフィルドをもう少し詳しく解説
ゴールドフィルドとはシルバーや真鍮などのベースとなる金属に金を圧着コーティングしたもので、金を含めた総重量のうち、金が5％以上のものと明確に定義されています。
ゴールドフィルドは英語で「Gold-filled（金で補充された）」という意味です。日本語では「金張り」とも呼ばれ、「金メッキ（GP）」とは区別されます。近年多いのは14金を圧着した14kgfです。
ゴールドフィルドと金メッキの違い
金属の表面に金を貼り付けるという点でゴールドフィルドも金メッキも違いはありませんが、金メッキの方が使用される金が総重量の5％以下で薄いため耐久性で劣ります。金メッキの厚さは0.1ミクロンですが、ゴールドフィルドは20倍もの厚さがあります。
ゴールドフィルドの利点・良さ
一般に言われるゴールドフィルドの美点とは、金より安価に金の輝きを楽しめることと言われています。ハンドメイドアクセサリー界隈で人気なのは素材の予算と金ほど気負わずに加工できるからです。ゴールドフィルド製品の人気が高まるにつれ、繊細なデザインの金具が増えてきました。
ゴールドフィルドと金メッキの見分け方
ゴールドフィルドと金メッキでは金の含有量が5％以上か以下かで分かれると書いたのは、米国の連邦取引委員会で基準が決められているからです。総重量の1/20以上の金の含有量があるものはGFと刻印を押すことができます。
ゴールドフィルドでは、例えば、14金が総重量の5％を占める製品は「1/20 14kt GF」と刻印されます。
金メッキでは表記されているときとされていない場合があります。
金メッキでは、例えば、英語の「Gold-plated」の省略から「14k GP」と表記されます。
ゴールドフィルドの弱点 金属アレルギー大丈夫？
「金より安くて金みたいに輝かしいなら、ゴールドフィルド完璧？」 とは残念ながらなりません。ゴールドフィルドの弱点として金のコーティングはハゲることがあります。
ゴールドフィルドが痛む原因
汗や皮脂
夏場に１週間ほど着用したまま過ごすと分りやすいのが、汗や皮脂によるくすみが発生しやすいところです。乾いた布で拭く、水洗いするという対策が取れますが、どうしても摩耗が発生します。貴金属磨きクロスやクリーナーのご使用はお控えください。
傷
貴金属を日常的に着用すると分りやすい点が、金属は傷が着くことを避けられないことです。18金だと傷がついたとしてもそこから地金が痛むことはないのですが、ゴールドフィルドはあくまで表面が加工されているだけなので黒ずみ始めると手立てがありません。
ゴールドフィルドの品質によるばらつき
いくつものゴールドフィルド製品を扱ってきた身として言えるのは、品質によってばらつきがあることです。
何度使ってもここ10年間金が剥げずに使えるものもあれば、数回の着用にも耐えられないものがあります。
ゴールドフィルドジュエリーの中でも高価だからと言って劣化しないとも言い切れず、500円程度で手に入れたものが長持ちしているものもあります。
ネガティブな面を強調してしまいましたが、きちんと刻印があるものは長持ちする傾向はあります。
ゴールドフィルドと金属アレルギー
比較的金属アレルギーが起こりにくとされる金でコーティングされているので、ゴールドフィルドはアレルギー持ちの方でも手が出しやすい素材です。
しかし品質や傷によってはベースの金属（主に真鍮）が露出すると、金属アレルギー持ちの方にとっては危険です。
万が一、黒ずみ始めたら金属アレルギーの方は着用を控えた方が良いです。
実体験ですが、金のコーティングが剥がれやすいものも存在します。金属アレルギーだとどうしても黒ずみ始めたアクセサリーではどうしても皮膚が荒れやすいです。無理して使うとアクセサリーも皮膚も痛んでしまいます。
どうしても不安！という方は徹底的に商品のレビューをチェックしましょう。
ゴールドフィルド製品の売却価値
リユース品として価値があるもの
シャネルやディオールなど有名ブランドのコスチュームジュエリーやキーホルダーに使われるものは、ゴールドフィルドや金メッキを含め、中古品でも高値が付くほどの人気があれば買取価格が付きます。メルカリ等のフリマアプリでも人気があるのどうか手っ取り早く伺えます。
リユース品として価値がないもの
誰もが知っているブランドを除くと、リユース品として対して値段がつかないのが現状です。期待はしないでおきましょう。
地金としての価値
金メッキやゴールドフィルドに純金が含まれているからと言って地金として買い取ってもらうことは一般的に難しいです。表面の金だけを抽出する技術とコストを鑑みると、ゴールドフィルドを買い取るまでの価値はありません。
業者のように大量にゴールドフィルド製品を保有しているとなれば話は別です。
どこで14KGFのジュエリーを購入できるのか
明確に14KGFと表記して販売しているジュエリーブランドはまだ少ないのが現状です。ハンドメイド作家さんがよく使用しているので、ハンドメイド製品を扱うミンネやクリーマで探すのも良いです。最新のトレンドデザインやスッキリしたデザインがご希望でしたらこちらのレスブリスさんもおすすめです。
【レスブリス】結局ゴールドフィルド製品はいいものか
アクセサリー製作、ジュエリー販売、アクセサリー愛好家として異なる視点で考えると、ゴールドフィルド製品について矛盾する意見があります。参考までにどうぞ。
アクセサリー作家としては、ゴールドフィルドジュエリーは18金ほど素材費が掛からないので気軽に幅広いデザインを試すことができて楽しいです。日本でも人気が出てきてからは、特にピアスフックに繊細なデザインのものが増えてきました。
アクセサリーとして人気があるならば、どんどん使っていきたいです。
金属の痛みにくさ、巷で言われる金属アレルギーへの耐性を考えると、可愛らしいデザインがおおいゴールドフィルドジュエリーは売りやすいです。でも万が一最低限のコスト回収をしたいという場合に地金だけでも売れないのは困ります。
もらう分にはいいけれど、自分で買うほどではないかな。値段が安いから紛失してもお財布は傷まないし、コーティング剥がれても気にしないというなら安くていいかな。
長期的にコレクションするとなったら価値が無いので、あくまでカジュアルに楽しむ用のアクセサリーとしたいです！
14kgf、ゴールドフィルドジュエリーはあくまでコスチュームジュエリーの素材として使われるものです。安価に安全にアクセサリーを楽しむのならサージカルステンレスでも構わない気がします。ゴールドフィルドジュエリーを流行らせて得するのはもしかしてパーツ屋さんや素材屋さんだけかもしれませんね。
